リウマチについて

リウマチというと、一昔前は関節痛を訴える疾患はすべてこのように呼ばれていました。現在はリウマチといえば関節リウマチを指すことが多いです。

関節リウマチは免疫異常が原因で関節に炎症が起こり、痛みや腫れを生じる病気です。免疫は、体外から侵入した外敵を攻撃して、自分の体を守る防御システムですが、自分の組織を外敵と思って攻撃してしまうことがあります。

 

このように、免疫に異常が生じ、自分自身を攻撃してしまっておこる病気を、自己免疫疾患といいます。関節リウマチも自己免疫疾患の一つです。関節は、骨、軟骨、それらを包む関節包でできていますが、関節包の内側にあって裏打ちを している組織が滑膜(かつまく)です。滑膜で関節をスムーズに動かす潤滑油剤の役目をする関節液が作られています。

関節リウマチでは、この滑膜が何らかの原因で攻撃され、炎症がおこり滑膜が増殖し隣接する軟骨や骨を浸食・破壊していきます。滑膜からは炎症をさらに増悪させる物質も分泌されます。

関節リウマチの発症には遺伝の関与も指摘されていますが発症すべてに遺伝が関与しているわけではありません。遺伝的素因に細菌やウイルス感染、疲労などの環境的要因が加わって発症すると考えられています。

患者さんの約7〜8割は女性です。関節リウマチの最初の症状は、朝のこわばりです。朝起きた時に両手が腫れぼったくて握りにくい、動かしにくいということがおこります。関、節の腫れや痛みは、手関節(指の第二関節(PIP関節)や付け根の関節(MCP関節足関節、足趾の付け根の関節。MTP関節)が好発部位です。

関節リウマチの診断は、欧州・米国リウマチ学会の基準日本リウマチ学会、厚労省研究班の基準などが用いられています。最近は、血液中の「抗CCP抗体」の測定が有用とされています。しかし、これでわかるのは全体の70%くらいです。

関節リウマチの治療の中心は、薬物療法です。基本は抗リウマチ剤を用いますが、当面痛みが強い期間は、ステロイド剤や抗炎症性鎮痛剤を併用します。抗リウマチ剤の効き方には個人差があり、自分に合った薬を探す必要があります。欧米では「メトトレキサート」という、代謝拮抗剤の一種が抗リウマチ剤の第一選択・中心薬剤(アンカードラッグといいます)とされています。日本でもその傾向にあります。

また、最近は、抗リウマチ剤でコントロールがつかない場合に、関節の炎症を引き起こし増悪させるサイトカインという物質の働きを妨げる生物学的製剤が用いられています。やはり、日常生活に支障をおこすような関節の痛みや変形を防ぐには、悪性疾患と同じく「早期診断・早期治療」が大切です。

組合員 穂苅 行貴

塩尻市 穂苅整形外科リウマチクリニック