更年期症候群いわゆる更年期障害

更年期とは、ヒトの年齢的な期間を示す医学用語です。

 

 更年期の不定愁訴
 生後28日までを新生児期と呼ぶのと同様に、45歳から55歳の間を「更年期」と呼びます。現在の日本人の平均閉経年齢は51歳ですが、この前後合わせて約10年間に出現してくる、心理的肉体的に不健康的な不都合状態、不定愁訴を「更年期症候群」と呼びます。

・以前の美しさが衰えてき た、肌のつやも悪くなり、 そういえば髪の毛も…
・ウェストは太くなってき ているし…節々も痛いし …疲れやすい…
・突然暑くなって汗が吹き 出し、胸がドキドキして めまいや耳鳴りもする。
・寝付きも悪いし、おしっ こも近い…とにかく頑張 りがきかないわ。
・内科では異状はないとい うが、なにか病気が隠れているのかしら?

 

女性に多く見られる環境変化
 この時期の女性に多くみられる環境変化を思い出してみましょう。

・今まで元気で、家庭菜園 でできた野菜を持ってき て、孫と遊んでくれたお じいちゃんが、入院する ことになってしまった、 困ったどうしよう。
・夫は課長になったのに給 料は上がらず、忙しいだけ で相談に乗ってくれる時間 もないわ。自分のストレス も相当あるみたい…
・この前まで素直だった息 子が、最近妙に反抗的だし、 受験もあるのに一体何を考 えているのかしら。誰に相 談すればいいのよ…

 

体の中での環境変化
 体の中では、卵子が無くなってくるので、エストロゲン(卵胞ホルモン)が減り、それを出させようと間脳視床下部から大量のゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)分泌され、視床下部にある他の神経中枢は統一が採れずメチャクチャです。このため、自律神経失調が起こってきます。
  
 こんな環境変化の下では誰でも参ってしまいますが、ホルモン変化を除いては、更年期でなくても起こりうることなのです。ちょうど時を同じくして出現してきやすい年周りなので、本人も医師も戸惑ってしまいがちです。

 

極めつけの治療法
 更年期症候群に対する治療法の極めつけは、原因療法である「HRT」すなわち「ホルモン補充療法」です。
 50年以上の歴史があり、欧米では50%以上の更年期女性に普及しているものの、日本では2%です。5年間の継続治療で10000人当たり8人だった乳がんが、11人に。これは30%の増加になったのだという報道のされ方があってから躊躇する人が増えたのかもしれませんが、日本人の特徴として、「自然のままがいい」といった思想があるようです。しかし、自然になった肝臓病や糖尿病では治療を求めますね。もちろん持病によってはこの治療が勧められないものもありますが。

印象に残る二人の言葉

  この治療法に関して、印象に残っている二人の言葉があります。一人は銀座でクリニックをやっている後輩の女性婦人科医です。
 「水がなくて枯れかかっていた花に水をやると、みるみる生気を帯びてきれいに咲き始める感じですよ!」
 もう一人は患者さんです。
「センセー、わたし損しちゃったみたい。我慢しないでもっと早くやれば良かったわ!」

 三浦 秀輔

上田市 三浦産婦人科