睡眠時無呼吸症候群2 ほんとは怖い睡眠時無呼吸症候群

 ひと頃は、笑いのネタにされることもあった「いびき」ですが、そこに怖い健康被害が隠れているのです。「いびき」に伴って、寝ている間に呼吸が止まってしまうことがあります。寝ている間の自分自身の様子は、なかなかわかりません。もしあなたの隣で寝ている大切な人の呼吸が止まっているようなら、早めに、耳鼻科や、睡眠外来への受診を勧めてください。たかが「いびき」と侮ってはいけないのです。


 人によっては、この呼吸が止まってしまう時間が1分以上も続くこともあります。またこの呼吸が止まる回数が、1時間に10回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群という診断を受けます。実際この診断は、耳鼻科の医師が下すことになりますが、その程度が、中程度以下であれば、歯科医院に治療依頼がくることになっています。


 歯科医院では、睡眠時に口の中にはめるスリープスプリントというマウスピースを作ります。これには、寝ている間に下あごが奥の方に落ち込んで、気道をふさぐことを防ぐ目的があります。実際は、上と下の、全体の歯型をとり、模型を作ったうえで、上下のマウスピースを作成し、これを上下合わせて口の中に入れて夜寝る、というものです。最初は、口の中に異物感がありますが、慣れるのにはそれほど日数はかかりません。というのも、少しでもスプリントに慣れてぐっすり眠れるようになれば、自分自身で体調が良くなってくることにすぐに気づかされるようになるからです。 そもそも寝ている間に呼吸が止まるということは、本来、体も脳も休むためにある睡眠中に、かなりの時間息をこらえ、体を緊張させているようなもので、十分な休息がとれていない事になるのです。寝起きがすっきりしないばかりでなく、昼間急激な睡魔に襲われるなど、かなり危険な状況に陥ることもあります。 また、この寝ている間の息こらえが、心臓や、脳の血流に障害を起こすこともあると警告されています。


 人生の3分の1を占める休息のための睡眠が、体に害を及ぼす原因になるなんてかなり残酷な話ですが、それが早期の診断と正しい治療で、一転して健康な人生を送るカギになるのですから、ものは考えようです。 以前は、太った成人男性のトレードマークのように言われていた「いびき」ですが、最近は女性にもその症状があるとわかってきています。笑い話では済まされない、恥ずかしいなんて隠してはおけない、ぜひ早めに周りの人が教えてあげてください。
 意外に怖い、「いびき」があることを!

神谷 誠
 松本市 神谷歯科