アレルギーをめぐる誤解はなかなか消えない(1)

非ステロイド系抗炎症外用剤の危険性

 以前に買い求め家に残っている塗り薬の成分表示を調べてみてください。<ブフェキサマク>という記載があれば廃棄処分にすることをおすすめします。湿疹、おむつかぶれ、虫刺されなどの治療に使う塗り薬として1970年代から医師によって処方、また薬局で販売されてきましたが、近年この薬を使うことによって重症の接触皮膚炎(かぶれ)をおこす恐れがあることが報告されていました。


 欧州医薬品庁の委員会が今年4月、非ステロイド系抗炎症外用剤ブフェキサマクの販売許可を取りやめるよう勧告したのを受けて、わが国でも慌てて販売中止にすることを製造販売各社が決めたところです。販売中止にはなりましたが、家庭に眠っている塗り薬の回収や、使用しないようマスコミで告知をする予定はないそうです。本稿を読んだ方はこの機会に点検し、もし見つけたら廃棄しましょう。


 医師からアンダーム(商品名)などのブフェキサマク製剤を処方された方は、かかりつけ医でご相談ください。来年3月には医師が処方することもできなくなる見込みです。
 ステロイドの塗り薬は、専門医の指示にもとづいて適正に使用すれば安全性が高いものなのですが、世間ではステロイドを毛嫌いする一方で、 “非ステロイドは安心だという誤解”が未だに残っています。これを機会に認識を改めていただくことを願っております。

あなたのじんましんは食事とは関係がありません

 特定の食物によって蕁麻疹が出る頻度が多いのは乳児期から幼児期前半にかけてです。幼児期後半から成人においては、急性蕁麻疹の原因として一番多いのが、風邪や胃腸炎などウイルス感染に関連したものであって、その場合、食物アレルギーは関与していません。


今、自分の身におきている蕁麻疹が、食物とは関係がないと判断する指標として、蕁麻疹の持続日数がわかりやすいでしょう。乳児でみられるように特定の食物によって蕁麻疹がおきた場合は、長くても12時間以内に発疹は消えてしまい、翌日以降はみられません。一方、学童や成人でみられるウイルス感染が関与した蕁麻疹では、体内でウイルスが活動している数日間はくりかえしみられます。
 世間では、“蕁麻疹がくりかえし出るから何か食事が合わないのではないか”と思いがちですが、これは間違いです。正しくは、蕁麻疹が2日以上にわたって出没するので、食事は99%関係していないということです。


 しかし、あなたの蕁麻疹は食物によるものではなくウイルス感染によるものですよと診察室で説明をした直後に「何か食べてはいけないものはありますか?」と聞き返す患者さんは結構いるものです。そして、これを読んだあなたも数日後には、蕁麻疹といえば食事が原因だという考えに戻ってしまっているのではないですか?

蓑島 宗夫

(松本市 みのしまクリニック)