いびき

  いびきはどちらかといえば男性の専売特許で、女性のいびきはホルモンの関係で更年期以降におきやすく無呼吸になることは少ないといわれています。

 「いびき症」は大きく3つに分けられます。@単純性いびき症A上気道抵抗症候群B睡眠時無呼吸症候群です。これら3つに共通しているのは顔の骨格です。顔が面長で奥行きのない人はのどの空気が通るところが狭いのでいびきをかきやすくなります。さらに肥満になるといびきが増強され悪化します。

 単純性いびき症はいびきも軽く昼間の眠気も無呼吸もありません。1600万人存在するといわれています。
 上気道抵抗症候群は無呼吸はありませんが、いびきをかくのにのどが潰れるほど強い呼吸をします。また昼間極度に眠くなったり、会議中に居眠りをしたり、運転中に急に睡魔に襲われたりします。実際に電車事故・自動車事故・作業事故などが起きています。

 睡眠時無呼吸症候群はその名の通り眠っている間に呼吸が一時的に止まり(長い人で1分間程度)、また呼吸を始めるタイプで、家族は心配します。3つのタイプともに寝ている間に自覚はなく、無呼吸は口蓋垂(のどチンコ)が舌の付け根の裏側の狭いところに吸い込まれて詰まります。自分自身は何も苦しいことはありませんが、身体のほうは苦しくて歯を食いしばったり、脈がドキドキしたり、血圧が上がったり、さらに酸素不足で顔が真っ青になったりします。200万人いるといわれています。これらの診断には終夜睡眠ポリグラフ(PSG)を使います。

 PSGは睡眠中に睡眠脳波・呼吸・心電図・足の痙れんなどを検査します。上気道抵抗症候群は呼吸が正常でも睡眠脳波で数秒間の微小覚醒が見られます。つまり本人は気がついていなくても目が覚めた状態になることで、ノンレム睡眠(深い睡眠・脳の休息)が浅くなり、レム睡眠(浅い睡眠・記憶の整理)も少なくなります。無呼吸も微小覚醒数も1時間に10回以下が正常といわれていますが数10回になることもあります。

 検査にはレントゲン検査もあります。頭部X線規格写真(セファログラム)といい、顔を固定して真横から撮影します。ここから顔面軸(難しくなりますので説明は省略します。)を計測します。
 日本人の平均は86.3度±3度でこの角度が小さくなれば、つまり細面になればいびき症になりやすくなります。この顔面軸は生涯変わることがないのでいびきのリスクを推定することが可能です。

 無呼吸の治療にはシーパップ(Cpap)を使います。これは一種の人工呼吸器で睡眠時に鼻にマスクをつけて強制的に空気を肺に送り込みます。口を使わず鼻のみで呼吸することが肝心です。いびきは消えますが同室の人は器械の音が気になるかもしれません。

 マウスピースによる方法もあります。いびき防止のマウスピースをオーラップといいます。上下顎にマウスピースを装着し、やや受け口にした状態で固定します。慣れるのに数日かかります。口蓋垂の長い人は切除が必要になります。症状によってオーラップのみまたは併用することもあります。オーラップは歯科で作成することも可能ですが、いびき症の診断・処置・手術は耳鼻咽喉科・大学病院・いびき外来等の受診が必要です。太っている人はやせる必要がありますが、減量についてはここでは省略します。

  辰野町 鈴木歯科医院 
    院長 鈴木 信光