不妊について

    こどもが欲しい


 不妊を訴える患者さんが増えてきております。10組に1〜2組のカップルは不妊、というデーターもあります。以前は、「こどもをさずかりたい」と表現しましたが、最近は「つくりたい」と言う人が多いですね。

   不妊症は増えているのでしょうか

 小学校唱歌「赤とんぼ」3番、「十五で姐(ねえ)やは 嫁に行き」
現在晩婚化のためか、初めての出産年齢は平均28〜29歳といわれており、昔より確実に10歳は遅くなっております。卵巣には生まれつき決まった数の卵子しかなく、毎月多くの卵子が死滅してゆき閉経で無くなります。どうも反応性の良い卵胞から破裂してくるようで、加齢により良好な卵子も減ってくると考えられております。
 精子は歳をとってもある程度は新たにつくられておりますが、世界中の男子の精子数は減ってきている事も判ってきました。

    見えてきた妊娠のメカニズム

 以前では妊娠不能であったご夫婦でも、妊娠のメカニズムの解明がすすみ、高度先進不妊治療により、子供がさずかる事が出来るようになってきました。
 高学歴社会になった今、○歳までに○をやって、○歳で結婚して、○歳で子供を生んで、と計画を立てるキャリアウーマンが多くなっております。そうしますと、計画通りにすすまないとあせってしまいつい、不妊症では?!となってしまいます。
 都会に住むキャリアウーマンの中には、一定期間妊娠しないと直ぐに体外受精に踏み切る方もいます。何せ、出生56人に1人は体外受精児の日本です。

   プロレスラーがさずかった

 東大病院で体外受精を受けたものの不成功だった更年期年齢のプロレスラーが、その後自然に妊娠しかわいい赤ちゃんを産んだという出来事がありました。たまたま、良好な卵子が排卵されうまく精子と出会ったためでしょう。体外受精の刺激が良い影響をもたらしたのかもしれませんが、まさに「さずかった」と言いたくなりますね。
 長期不妊で体外受精し妊娠分娩のあと、何年かして自然妊娠ということも当院でも時にあります。では、体外受精をしないでおいて、その時まで待っていれば妊娠したのか、それはわかりませんが多分駄目だったでしょう。

   不妊治療

 不妊の原因はいろいろですが、半数は検査をしているうちに妊娠してしまいます。受診しなくても出来たのでしょう。残りの半分は、何らかの原因が判ります。残りは、現代の医学では明らかな原因は判らないグループです。その中に、このご夫婦は体外受精すれば妊娠しそうだな、という例があります。その方たちも、年齢がすすんでくることによって、体外受精でも難しくなってきます。
 自然に妊娠するのがbestですが、なかなかさずからない時には、やはり専門医に心を開いて相談してみましょう。たとえ高度先進不妊治療で生まれる赤ちゃんも、「つくる」のではなく「さずかる」のですから。

三浦 秀輔
(上田市 三浦産婦人科医院)