眼疾患・人生行路

年齢別に、大切で重要な眼疾患につき、ポイントを解説します。 

 先天性鼻涙管閉塞


 人生、オギャーと生まれて、まず最初に遭遇する比較的頻度の高い疾患です。生後すぐから片目(まれに両目)のメヤニや涙が続き、点眼しても良くならないかすぐ再発する場合は、この疾患の可能性が高く、遅くても生後3ヵ月までには眼科を受診して下さい。治療が遅れると、非常に治りづらくなります。

 

 弱視、斜視、遠視


 生後3ヵ月から6歳までは、これらの疾患に注意が必要です。目つきが悪い、視線が定まらない感じ、目を細めて見たり頭を傾けて見たりしている場合は、早めに一度、眼科を受診して下さい。これらの疾患の可能性がかなりあります。治療が遅れると治りづらく、メガネをかけても一生良く見えない目になってしまうことさえあります。片目のみ悪い場合は、外見上、全く分からないこともありますので、1ヵ月に一度、片目ずつ交互に手で目をおおい嫌がり方に明かな差がないかチェックしてみて下さい。明かな差がある時は、片目の視力が悪い可能性がありますので、すぐに眼科を受診して下さい。

 

 近  視

 

言葉をしゃべれるようになれば、見え方に明かな差があるか尋ねて下さい。見え方が同じでないと言う時は、すぐに眼科を受診して下さい。 6歳から20歳くらいまでは、何と言っても近視になりやすいです。今や若者の半数は近視です。ただ、近視だと思っていたら、眼底疾患などの目の病気で手遅れに近い状態だったということもありますので、片目でも見づらくなったら、あまり不自由がなくても眼科をすぐに受診して下さい、また、ごく早期の近視の場合は、時に点眼治療で治ることもあります。

 

 眼精疲労、ドライアイ…そして老眼


 20〜40歳台は働きざかりで目を使うことが多く、目の疲れ、乾き、熱感、しぶい痛みを訴えがちです。程度が軽く、見え方が良く、目を休めれば回復するようであれば、少し様子をみても結構ですが、長期に続く場合や我慢しがたい時は、眼科を受診して下さい。治療で非常に良くなることがあります。また、眼底疾患などの重大な病気か見つかることもあります、40歳を超えますと、老眼の初期の変化でこれらの症状がでていることもあります。近くを見るのに不自由がなくても、メガネをかけると、これらの症状が劇的に改善されることがあります。 

 

 白内障、緑内障


 白内障は、50歳以上では軽いものも含めれば、30%の人に認められます。緑内障も意外に多く、40歳以上の人の4%は緑内障で、年齢が進むにつれ増えて、80歳以上では10%近くになります。白内障だけで他に目の病気がなけれぱ、今は手術で95%以上よく見えるようになりましたが、進行するにつれ手術の成績は少しずつ悪くなります。緑内障の手術は、失明回避が目的で、一般に視力、視野の改善はありません。だから、かなり進行してから眼科を受診したのでは完全に手遅れの場合があります。
 一般に白内障は手術で良く見えるという認識がありますので、片目が多少見づらくなったくらいでは生活に支障がないため眼科を受診せず、いよいよ生活ができないほど悪くなってから初めて眼科を受診する人がいます。ところが、白内障ではなく緑内障であったというケースがかなりあります。緑内障で生活ができないほど見づらい目は完全に手遅れです。両目で見ていると、気づかないこともあります。
 最低、1週間に一度は片目ずつで見て、少しでも以前より見づらい時は、すぐに眼科を受診して下さい。また、見え方が良くても、緑内障になっている場合もあります。3年に一度は、眼科検診を受けることをお勧めします。特に近親者に緑内障の人がいる場合は、強くお勧めします。緑内障は早期発見が第一です。

多田 博行
(佐久市 博愛眼科クリニック)